(書評)魍魎の匣 京極夏彦 ネタバレなし
このブログを読んでくれてます皆様、ありがとうございます
6月ももう終わろうとしてますね
というか今年ももう半分経過してるんですよ
早過ぎないですか
あと半分で2020年も終わります
今年はいったいどんな年になるんでしょう
どうあれ世界規模的に人類が忘れられない年になるのは間違いありません
これだけ短期間に社会が様変わりしてしまった経験なんて初めてです
しかし起こってしまっている事実に嘆いてばかりいても仕方ないので
今ある現状にどう自分が対応できるかを考えることに時間を使うことが生産的です
その為にも自分の引き出しをもっともっと増やしていかないと
半月ほどブログをさぼっていた自分を鼓舞したいと思います
こんにちは、オンツです
今回は小説レビューです
今回の作品はこちら
「魍魎の匣」
著 京極 夏彦
あらすじ
匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物―箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。果たして憑物は落とせるのか!?日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ、妖怪シリーズ第2弾。
【「BOOK」データベースより】
いやー、今回も読み応えは十分
前作でもその物量に面くらいましたが、今回はそれも凌ぐページ数です
この作品を読み始めたのが正直にいうと5月の始めぐらいからで
時間が空いている合間に少しずつ読んでました
並行して他の本も同時に読んでいたりしていたので、中々時間がかかりました
半分を読むのに約一ヶ月程かかりましたが、残りの半分は一週間で読んじゃいました
前作でもそうでしたが、物語の解決へ向けて話が進んでくるとまあ面白い
どんどん読みすすめてしまい、最後は一気に読んでしまった感じです
今作は前作よりはミステリー小説としてのエンターテイメント性は強いので
読みやすさや話の面白さは上かもしれません
しかしやはり前作「姑獲鳥の夏」を読んでから本作を読むことはオススメします
今回も「歴史」「宗教」「民俗学」「犯罪心理学」などこれでもかと薀蓄が津波のようにふりかかってきて
あなたはそれをすべて理解しましたか?といわれたら胸を張ってハイともいえません
この部分で苦手な人は受け入れにくいかもしれませんが
まさにこの普通は説明しない部分をこれほど丁寧に教えてくれる小説は他に知りません
難解でいて実はすごく丁寧で親切なんです
2作読んで分かったのが
自分はこのシリーズを読んでいて、知りたいのは犯人や物語の結末では無いことに気づきました
京極堂の薀蓄を欲しているのだと
この圧倒的な知識を独特な言い回しで聞かされると
関口や木場や鳥口みたいに、自分もなんとなくなんですが「憑き物」を落とされ
心が浄化された気持ちになっていくんです
なんとなくですよ、うまく説明できませんが
「僕の商売は探偵じゃない。憑き物落しです」
物語の「憑き物」ばかりか読み手の「憑き物」も落としてくれる
不思議なミステリー小説を試しに読んでみてください
それではまた!
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