(書評)明智小五郎事件簿1 江戸川乱歩
「明智小五郎事件簿1」
著 江戸川乱歩
江戸川乱歩の小説のキャラクターで特に人気があり有名である名探偵「明智小五郎」
この小説本は彼が初登場する「D坂の殺人事件」から、作品発表順ではなく事件が起こった時系列順に並べて編集されている短編集となっています
恥ずかしながら自分は今まで作品自体は読んだことがありませんでした
このあいだふらっと本屋に立ち寄った時に特集コーナーでこの本が陳列されており
丁度目に止まったのでいい機会だと思い購入しました
短編集ともあって一作品が約40ページ程なんで非常に読みやすい
洗濯物をコインランドリーに入れて待っている時間に一話読めてしまう感じ
一番驚いたのは明智小五郎の容姿が表紙絵にもあるようにモジャモジャ頭で和服姿なんですよ
自分のもってたイメージは背広姿でキザで紳士な人のイメージだったので衝撃でした
そうだこいつだ、こいつのせいだ
金田一耕助やんw
後の作品では背広姿となり「まるで植民地の英国紳士か、欧州の印度紳士」と形容されているので、そちらのイメージが一般的に知られているのでしょう
明智小五郎の推理法は、論理的演繹によって犯行や犯人をあぶりだす手法
巧みな話術で相手を誘導しボロを出させたりする方法で、「刑事コロンボ」に似ている感じかなと思う
短編小説なんで事件発生、解決が早いのだからしかたないんだけども、それにしても明智さん有能すぎるw
こんな情報だけでそこまで推理できるの⁉無敵やんって感じ
もっと厚みのある推理を求めてる人にはむかないかも、逆に時間を掛けずにあっさり読みたい人にはお勧めできるかな爽快感もあるしね
大正という時代背景の雰囲気は好きですね
大正ロマンていうのかな、退廃的で虚無的でモダンな雰囲気が洒落た感じで良い
喫茶店を「カフェー」ていうところとか超オシャレ
全然直接的な表現はないんだけどほのかに匂わす「エロス」な雰囲気が大正時代にはある感じがしてそこも好き
後に少年探偵団を率いて怪人二十面相と戦う明智探偵のまだ探偵にもなっていない若かりし頃の活躍を知りたい人は是非読んでみてください
それではまた!
blogまとめ『文書遊戯』に参加しています