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(書評)消えた少年 東直己

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消えた少年

 

著 東 直己

 

ススキノ探偵シリーズの第3弾にあたる長編小説

 

このシリーズは映画化もされて有名になりました

 

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2011年公開した映画化第一弾「探偵はBARにいる」

 

 

題名は小説1作目になっているが原作は2作目の「バーにかかってきた電話」というややこしさ

 

映画としては2作目が話も派手でよかったんだけど題名がすっきりしないからこうなったんでしょうね

 

映画もそこそこ面白いです、キャストも結構頑張っている感じなんですけど

 

主役の大泉さんのキャラが混ざりすぎてるんだよね

 

原作の(俺)とはちょっと違う感じになっちゃってます

 

主人公(俺)の魅力は断然小説のほうが際立った感じがするので映画を観て面白いと思ったら原作も読むのをオススメします

 

〈あらすじ〉

学校では問題児扱いだが映画が大好きな中学生、翔一と知り合い意気投合した(俺)。

ところが、翔一の親友が惨殺死体で発見され、一緒にいたはずの彼も行方不明となってしまった。

変質者による誘拐か?暴力団がらみなのか?それとも、学校をも巻きこんだ障害者施設反対運動に関係があるのか?

担任の教師、春子に翔一の探索を依頼された(俺)は、彼の姿を探してススキノを疾走する!新感覚ハードボイルド長編第三作。

(「BOOK」データベースより引用)

 

映画が出たあたりで興味があって1作目と2作目を読みました

 

その時にこの3作目も一緒に買ってたんですが、何故か今まで読まずに放置

 

最近になってやっと手に取って読んだんですけど

 

一番これが面白いじゃん…

 

ストーリー、文章、表現力、すべてにおいて前作たちを超えております

 

ネットでもシリーズ通して評価が高いのにもうなずけます

 

内容はネタバレになってしまうので極力触れませんが

 

この作品の一番の魅力はやっぱり主人公(俺)のキャラクターだと思います

 

表題は探偵となってますが実際は探偵業とは少し異なります

 

飲み屋の取り立て代行や用心棒、トラブル処理、人探しや人物調査など

 

なんでもござれのいわゆる「便利屋」みたいなもの

 

裏の賭博場で小遣いを稼いだり、違法な植物栽培にも汗水流しながら勤しんだりと

 

お天道様には顔向けできない生活をして生きているアングラ系主人公ですが

 

芯はしっかりしていて周りの信頼は厚い

 

大人になりきれてない子供みたいな性格もあって年上だろうがなんだろうが平気で噛みついたりします

 

特にバカな若者への表現力が最高

 

それをこの小説は主人公の一人称視点で進むのでワードセンスが独特で面白く、読んでて軽快な気分になります

 

今回はアクションシーンも多く疾走感があり、中盤から終盤へむけての展開は読む手が止まらなくなり一気読み必須

 

只、内容が少々陰惨でハードな為エログロ苦手な人にはちょっと向かないかも

 

いうてもそんな酷くはないよ

 

けどそんな中、最後だけはちょっと笑ってしまった

 

ネタバレになるんで敢えてわかりにくく表現すると

 

子供の時にドラクエ4やっててデスピサロ見た時と同じ衝撃を受けた

 

気になる方は最後まで読んでください(笑)

 

ストーリー面白いけど映画化は無理だろうなぁ

 

それではまた

 

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